Tuba2596a

瑞雲飛龍図鐔

銘 長州豊信作

木瓜形、鉄地、鋤出彫、鋤残土手耳

縦 81.4mm 横 75.7mm 3.8mm(切羽台)

保存刀装具鑑定書

 長州萩は毛利三十六万石の城下町として栄えて江戸、水戸、会津などと並ぶ有数の鐔製作地。

嘉永頃(1848)の豊信は名を岡本熊之丞、岡本家八代目として長州藩の抱工として藩士の需に応じた。

 この鐔は特別な需による入念作であろう。精緻な鍛の鉄地には波文の上に瑞雲を配し、さらに天に昇る飛龍を鋤出しにする構図は斬新で垢抜けしている。同族による『長州萩住岡本作』銘等の規格生産品とは異なり格段の丁寧さと上品さが認められる。