剣形:鎬造、庵棟 鎬筋高く、腰反り高くつき、元先に開きつき、小切先。
鍛肌:板目肌、地沸つき、乱れ映り鮮明にたつ。
刃紋:小丁子を主調に蛙子丁子、小乱れなど交じり、足、葉入り、細やかな跳び焼きかかり、小沸よくつき、金筋はいり、砂流しかかる。
中心:生ぶ、刃側雉股となり、筋違いのやすり目。目釘孔二個。佩表上半棟寄りに太鏨大振りの三字銘。
帽子:直ぐ調子に焼き詰め風となる。
守家は福岡一文字の刀工で、備前国畠田に在住したことから畠田守家と呼ばれる。その作風は一文字風のやや肌立つ地金に長船一門を彷彿させる見事な乱れ映りを呈し、腰の縊れた頭の張った「蛙子丁子」と呼ばれる刃を交える作風を示す。本作は凛然たる生ぶの太刀姿を呈し、品位あり、保存状態も頗るよく、茎銘も典型的な太い鏨で大振りかつ、鮮明な好ましい一口で、750年を経過した昨今、このまでの健全生ぶの作は慧眼することの頗る少ない逸品。