刀 銘 丹波守吉道(京初代)
新刀 (江戸時代初期 元和頃/約400年前) 山城
刃長70.3cm 反り1.6cm 元幅30.5mm 先幅22.6mm 元厚6.4mm
第二十五回重要刀剣
剣形:鎬造、庵棟、身幅広めで反りやや浅く、中鋒延びる。
鍛肌:板目肌流れ、総体肌立ちごころとなり、地沸つく。
刃紋:浅くのたれ調に互の目交じり、足、葉入り、処々刃中柾がかり、刃に剃って跳び焼が連なり、総体に沸よくつき、砂流しかかる。
中心:茎生ぶ、茎尻剣形。茎孔二個、鑢目は筋違い。佩表棟寄りに大振りの五字銘がある。
帽子:直ぐに突き上げて小丸となり、浅く返る。
関の住人である兼道が文禄二年二月に実子四人を連れて京都に上り三品派の始祖となった。丹波守吉道は三男で、長兄は伊賀守金道、次兄を和泉守金道、弟は越中守正俊ら四人は三品派の始祖であり江戸時代を通じての繁栄を築き上げた。初代吉道は文禄四年に丹波守を受領。「帆掛丹波」とも呼ばれ「丹」の字が右下がりに傾き、帆に風をはらんだような鑽運びが古優で、「守」と「吉」の字が接近しているのも特徴とされる。同時代の堀川系と並び、相州伝上位作を倣い、身幅広く、豪壮な、所詮「慶長新刀姿」をしており、刃中に砂流しが頻りと掛かり、後代のような純然たる簾刃とはならず、のたれに互の目が交じり、荒沸本位の大乱れを焼いて、湯走りかかり、まことに闊達な刃文状態で力強い。出来がよく作域も掟通り初代吉道の出色の打刀である。
金着二重はばき。白鞘入り