A67997(Y1409)

十文字槍 銘 下坂

新刀 桃山時代 越前
刃長25.6cm 茎長32.8cm 全長58.4mm 全幅21.9mm
保存刀剣

参考品

参考品

剣形:十文字槍
鍛肌:地鉄板目肌つみ、杢目混じり、地沸つく。
刃紋:湾れを基調に小乱れまじり、小沸よくついてホツレ、二重刃かかるところあり、匂口冴える。刃中砂流しかかる。
中心:生ぶ。在銘、孔一個、やすり目大筋違い。
帽子:僅かにのたれて小沸つく。
下坂の始祖は近江国志賀郡西坂本住下坂八郎左衛門入道とつたえられ、従来より越前国下坂と銘のあるものをもって、初代康継同人としていた。また肥後大掾下坂と銘を切ったものもあり、その銘振りを始めすべての点が初代康継と同様である。「越前国下坂」とも、また表に「下坂」裏に「越前国」とあるもの、「肥後大掾下坂」、ただ単に「下坂」二字銘のものがある。本作は希少なる大振りの十文字槍で古研ぎで処々黒ずんだところをみるものの地刃ともに頗る冴えた名品で、これまで出来の優れた作は稀である。徳川十六神将の一人で「槍の半蔵」で有名な渡辺半蔵守綱所持の大身の槍は同人「下坂」の作である。
白鞘入り