T316643(W2895)

脇指 銘 越中藤原貞幸 附)黒蝋色塗腰刻鞘脇指拵

新刀 江戸時代前期 (寛文頃・1661~) 尾張
刃長38.1cm 反り0.9cm 元幅29.2mm 先幅22.5mm 元重6.4mm

特別保存刀剣鑑定書
特別貴重刀剣認定書

附)黒蝋色塗腰刻鞘脇指拵

特別貴重刀装認定書


 

剣形:鎬造、庵棟。庵の卸が急で、刃長に比して小振りな茎。元の身幅広く元先の幅差さまにつかずに鎬の高い強靭な造り込み。先反りがついて大峰に結ぶ。(刀身拡大写真
彫物:表裏の腰元には丸留の棒樋の彫物がある。
鍛肌:板目肌流れ、地沸厚くついて煌めき、板目の地景が表出する強靭な鍛肌。
刃紋:湾れに尖り刃、互の目を交え、刃縁の沸厚くついて、ここに金線・砂流し頻りとかかり、刃中匂深く霞に満ち頗る明るく冴える。
中心:茎生ぶ、刃上がり剣形、鑢目大筋違い、茎孔一、佩表鎬筋上には『越中藤原貞幸』の長銘がある。
帽子:横手に大互の目を焼き、焼刃高く・強く、乱れ込んで表には金筋長くかかる。

 『越中守貞幸』は『河内守貞幸』の子。名古屋桑名町に住し、俗名を『惣左衛門』、初期銘を『貞吉』と銘をきる。『越中守貞幸』、『越中守藤原貞幸』、『越中守源貞幸』などと鏨を運ぶ。
 尾張一宮、真清田神社奉納の脇指 一尺八寸 『越中守藤原貞幸 寛永十七年八月吉日・奉寄進真清田大神御宝前願主一之宮住人田中清左衛門尉』、および熱田神宮奉納の一尺参寸弐分 『越中守藤原貞幸 寛永十八年辛巳拾月吉日兼松三郎尉尾州名護野住』の脇指がある。他年紀作としては、正保二年、明暦元年、寛文八年の作刀がある。
 本脇指は板目の鍛え肌に地刃に沸の豊かな働きが看取され、和泉守兼定を念頭に於いた作刀。刃抜けの良さを念頭に於いた庵棟を削いで大切先の雄壮な剣形は、武勇の気風を尊ぶ尾張武士の特別な需によるものであろう。

附)黒蝋色塗腰刻尾張拵表画像裏画像刀装具画像
  • 縁頭:秋草図、赤銅魚子地、高彫、色絵、無銘、尾張
  • 目貫:梟図、赤銅容彫、色絵
  • 小柄:梅に鶯図、赤銅魚子地、高彫、色絵、銘:石黒東南(花押)
  • 鐔:笹竹透図、鉄地、地透、肉彫、無銘
  • 柄:白鮫着、生成色細糸組上蛇腹巻
銀地二重はばき、白鞘付属
参考文献:
『尾張刀工譜』 名古屋市教育委員会、昭和五十九年三月三十一日