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刀剣徳川 Tokugawa Art
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K21345(S2056)
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刀 銘 加州住藤原友重 正保三年二月日 附)唐花草文錦包鞘打刀拵
新刀 江戸時代初期(正保三年/1645) 加賀
刃長70.5cm 反り1.8cm 元幅29.8mm 先幅19.7mm 元重7.0mm
特別保存刀剣鑑定書
附)
唐花草文錦包鞘打刀拵
剣形:鎬造り、庵棟。身幅広く鎬筋高く凛として立ち、平肉が付いた強固な打刀。江戸時代初期、寛永・正保頃の雄壮たる造り込み。(
刀身拡大写真
)
地鉄:小板目肌精美にして細やかな地景が湧き、煌めく地沸が地斑調につく古調な地鉄。
刃紋:匂口の締まった小沸出来の広直刃は僅かにのたれ、二重刃・ほつれる刃を交えるところがある。
帽子:直ぐに中丸に返る。
茎:生ぶ。鑢目は勝手下がり。刃上栗尻に結ぶ。目釘孔壱個。掃表鎬地上に長銘『加州住藤原友重』の長銘、裏には『正保三年二月日』の年紀がある。
新刀期、慶長頃の加賀では二代藩主、
前田利長
の推挙による藤島派の清光、陀羅尼派の勝家・家重等をはじめ、当時美濃より移住した兼若等を推奨したことにより、正保~寛文に至ると二十余工を数えてそれぞれ手腕を競い加賀新刀の全盛期を迎えた。
この刀は古刀期から連綿と受け継がれた藤島派の『次兵衛友重』の作品。正保二年(1645)の制作年紀が刻されており資料としても貴重。『次兵衛友重』は金沢住、寛永初年から延宝にかけての年紀作がある。はじめは『藤原』を刻し、延宝以降は概ね『藤嶋』を冠するようになる。
前田家の菩提寺『
瑞龍寺
』に奉納された二十二口のなかに、『瑞龍院為御寄進依仰奉作之 加州住藤原友重 承応三年八月吉日』がある。新刀期の友重の茎尻仕立ては古伝入山形の『刃上片削茎』のとはならず、刃上栗尻もしくは刃上剣形となっている。次代を担った貞享頃の『三郎右衛門友重』を以て以降は他業に転じたという。
初代『友重』は『来国俊』の子または門人。越前の藤嶋に移り藤島派の祖となったと云われ、熱田神宮の重要美術品認定の太刀『友重』がある。同工は越中国則重の高弟『真景』とともに隣国の加賀に移住した。
附)
唐花草文錦包鞘打刀拵
(拵全体写真
表
・
裏
/
刀装具各部写真
)
縁頭・鐺:勝虫蜻蛉蝶図、朧銀石目地、鋤下彫、無銘
目貫:獅子図、素銅地容彫、金消鍍金
鐔:葵形、素銅石目地、耳金色絵、大切羽二枚 鋤下彫 金色絵 四方猪目透 無銘
鞘:唐花草文錦包、朧銀地鐺、蜻蛉蝶図
柄:白鮫着、黒色常組糸諸撮菱巻
下貝銀着・上貝鍍金二重時代はばき、白鞘付属
参考資料:
『加州新刀大鑑』(財)日本美術刀剣保存協会、石川県支部、昭和四十八年
本間薫山・石井昌國 『日本刀銘鑑』 雄山閣 1975
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