Tuba2799a

表裏菊花透図鐔

無銘 長州

丸形、鉄磨地、肉彫、地透、丸耳、両櫃孔(片櫃赤銅埋)

縦 77.7mm 横 77.9mm 重ね 5.1mm (切羽台) 4.5mm (耳)

保存刀装具鑑定書

 長州は毛利の城下町として栄え、江戸、水戸、会津と並んで多くの鐔工が活躍した。鉄地真丸形、肉彫透もしくは鋤出彫に両櫃孔の造り込みが特徴。画題は草花・山水の画題を好んで用いている。

 この肉厚深彫の鐔は表裏満開の菊花を深く肉彫し、磨地丸耳に向かい肉を削いで碁石形としている。堅い鉄地をずっしりと手取り重い肉置きとし、意匠濃厚で技巧的な菊花の肉彫は垢抜けしている。江戸時代後期