Tuba2742a

枝菊透図 京正阿弥鐔

無銘  京正阿弥

丸形、鉄磨地、陰透、土手耳小肉、金・銀・銅象嵌、両櫃孔(片櫃赤銅埋)

縦 80.7mm 横 80.3mm 5.2mm(耳)

保存刀装具鑑定書

ごく細い葉脈の菊葉を陰に小透かして土手耳と共に金布目象嵌を施した京正阿弥鐔。菊花と裏葉には山銅と銀象嵌で陰陽に配している。地がやや薄い丸鐔で、土手耳には唐草の金布目象嵌を施している。『古正阿弥』は室町時代から桃山時代にかけて京都を中心として隆盛した。古作の京正阿弥に比して江戸時代の作品は『正阿弥』と呼称されて銀や銅などの象嵌を採り入れて作域を広げている。

この鐔は図案の意匠に優れ洗練された構図を有しながらも、他流派との交流や世相を採り入れて銀や銅などの象嵌を用いて作域を広げている。