G01430(S2224) 刀 無銘 島田広助 保存刀剣
古刀 室町時代後期(永禄頃/1558~) 駿河
刃長 70.9cm 反り 1.5cm 元幅 29.8mm 先幅 21.5mm 元厚 5.5mm
剣形:鎬造り、庵棟。僅かに磨上げて茎尻を僅かに摘まむ。元先の幅差さまで開かず、重ねやや薄く、平肉つかず腰反りがついて大峰に結ぶ勇壮な造り込み。(刀身全体写真
彫物:表裏に樋先の下がった棒樋に添樋を茎に掻き流す。
鍛肌:板目に杢目交えてよく錬れ、地沸が厚くついて地景入る強靭たる地鉄鍛。
刃文:湾れに尖り刃、複式の互の目を交え表裏の刃文が揃いごころ。匂口締まりごころに刃縁には小沸よくつき刃中は匂い満ちて明るく冴える。
帽子:焼き高く乱れ込んで先尖り小丸に返る。
中心:一寸五分ほどの区送り磨上げ。茎尻僅かに摘まみ茎尻は切り。目釘穴参個。茎の刃方は舟形風に肉を卸して尻を細める。茎にも頃合の反りがつく。生ぶ茎の鑢目は切、区送り部分の鑢目は浅い勝手下がり。棟肉平でここには大筋違の鑢目がある。茎の錆色良好に保存状態優れる。
 島田広助は義助の子。『広助』は『義助』、『助宗』とともに島田三傑と讃えられ名作を遺す小田原北条家の刀工である。
この刀は一寸五分ほどの区送磨上ながらも尚、二尺三寸四分と寸延びて腰反りがつき元先の身幅さまで開かず大峰に結ぶ。重ね薄く平肉つかない体躯は裁断能力を最大化し、さらには棒樋を茎に掻き流して重量を軽減して操作性を向上させている。生ぶ茎の鑢目は切であることから島田鍛冶に属する刀工の作で、無骨で反りの浅い南北朝期の体躯をしており、地鉄は板目肌に大小の杢目肌を交え地沸つき、刃に良質の小沸がついて明るく冴えており、個銘『廣助』と鑑定された。後北条家に仕えた業物の貫禄充分な打刀である。
祐乗鑢金着はばき、白鞘付属

参考文献 : 本間順治・石井昌國 『日本刀銘鑑』 雄山閣 昭和五十年
この刀には昭和十三年、本阿弥光遜による『筑前国左弘行 正平』と刻された極伝書が附帯している。
 
刀 無銘 島田広助
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