Tuba2513a

笹竹透図鐔

銘  茄子川住一成作

成木一彦(中津川市無形文化財)

変形、鉄磨地、地透、肉彫、毛彫、丸耳、両櫃孔

縦 83.9mm 横 81.4mm 5.5mm(切羽台)

上質落込箱

成木一成氏は、昭和六年(1931)、岐阜県中津川市に生まれた。同三十五年(1960)頃、鐔の研究・試作をはじめ高橋介州氏に師事。長年にわたり、尾張・赤坂・金山鐔などの鉄鐔の復元を試み、自ら材料の砂鉄を全国各地から集め、自家製たたら製鉄によってその古雅な地鉄の再現に努めた。鉄地の表面処理の焼手腐らかし技法の復活にも挑戦し独自の鉄鐔の世界を展開している。
昭和56年(1831)、中津川市の無形文化財保持者に認定、同61年(1986)に黄綬褒章を受章。平成21年(2009)、公益財団法人日本美術刀剣保存協会より無鑑査に認定された鐔の名工である。

表題の鐔は正阿弥、尾張や金山でもなく肥後風でもない・・・丸形の竹を深く肉彫地透し、鋭く切り立つ笹葉には毛彫りの葉脈が刻されている。おおらかで創意溢れる画題は土屋安親あたりに範を採ったのであろう。