T47803(T5582) 短刀 銘 大慶直胤作 文化十一年仲春
附)朱掃目塗鞘肥後短刀拵
特別保存刀剣
新々刀 江戸時代末期(文化十一年/1814年)
長さ27.0cm 反り0.2cm 元幅27.7mm 重ね6.1mm
剣形:平造り、三つ棟、元幅やや広く、重ねやや厚めで、僅かに先反りつき、ふくら付く。表裏に掻通しの棒樋の彫り物がある。(刀身拡大写真
鍛肌:板目肌流れに大肌交え、地景豊かに働く。
刃紋:湾れに互の目を交え、やや荒めの沸つき匂い口冴える。砂流し頻りとかかる。
帽子:尖り心にに返り此処にも砂流しかかる。
茎:生ぶ、孔二個。表に太鏨で大慶直胤作、裏に文化十一年仲春の年季。
大慶直胤は本名を荘司箕兵衛、号を大慶、水心子正秀の高弟で五箇伝のいずれにも通じた新々刀第一の優作鍛冶。安永七年(1778)に出羽山形に生まれ寛政十年ごろ師匠の正秀を頼って江戸にでて、文政五年(1822)筑前大掾、嘉永元年(1848)には美濃介を受領、安政四年五月二十七日(1857)没。行年八十歳。
本作は直胤三十五歳の若打ちの相州伝の作で、地肌板目に渦巻き肌を交え、地景豊かな優れた地金は則重や秋広に似た相州伝上位作を狙った肌物で覇気に満ちた逸品。
金着せ二重はばき、白鞘入り