T288518(W8066) 脇指 銘 大和国南都住寿海坊正玄 附)朱斜刻漆塗銀金具仕込杖 500,000円
近代 (明治時代末期〜大正時代) 大和
刃長44.0cm 内反り 元幅15.5mm 元重7.1mm
剣形:鵜の首菖蒲造り脇指、庵棟、内反り。身幅細く、元重ねは頗る厚く、先は鵜の首となり、棟側の肉をそぎ落としふくら枯れる。
彫物:表裏とも腰樋の彫り物がある。(刀身拡大写真
鍛肌:板目肌目立ち、流れる柾目状の肌交じる。
刃紋:浅く湾れて互の目乱れ、尖り刃交じる。
帽子:乱れこんで小丸に突き上げ、ここに掃きかける沸筋かかる。
中心:茎生ぶ、鑢目浅い勝手上がり。栗尻張る。茎孔一。掃表に細鏨で十一字の長銘がある。
大和国手掻末流と古伝のある金房一門は戦国時代応仁の頃から繁盛した一門で、「大和国南都住云々」と、銘を切ることが多い。古来よりその切れ味の良さはは名高い。作柄は刀、脇指や槍の他に、菖蒲造りや鵜の首造りなど異風な造り込みが多いことでも知られる。この脇指はその銘から奈良周辺の金房末流の鍛冶による作と鑑せられ時代は大正あたりか。茎仕立ても丁寧で手馴れており、剣形も整って均整がとれ、例によって異風の造り込みをしており、ふくらの枯れた鋭利な様相をしている。当時の世相を反映してか、この刀身が果たして本当に入るのかと疑うほどの杖に見事に収まり、良質の波図銀金具に朱鞘の洒落た仕込杖拵が付属している。
渡金銅はばき、白鞘入り。