O21512(T3549) 短刀 銘 正一 正真鑑定書 215,000円
新々刀 (江戸時代末期 嘉永/約260年前) 長門
刃長22.8cm 無反り 元幅22.8mm 元厚5.9mm
剣形:平造り、庵棟、元身幅、重ねとも尋常でやや内反り。先ふくら付く。(刀身拡大写真
鍛肌:柾目肌、平地に柾目鍛え顕著に現れ、地沸がよく付いて太い地景が柾目状にうねる。
刃紋:沸厚く、匂い深く、湾れに小の互の目を交え上半は太い沸足が入り、頗る明るく冴える。
中心:生ぶ。茎尻は剣形。目釘孔一個。掃表に大振りの二字銘「正一」とある。
帽子:表は湾れて一枚風に中丸とあんり、裏は湾れて突き上げて小丸に返る。
石堂正一は長門の産。父は石堂幾之進正実でともに大慶直胤の門、古刀復古の実践者であり本作のごとく、師より柾目鍛の大和伝を伝授され見事に具現している。現存の作品は真に希で破綻のない柾目鍛えと均一でかつ明るい沸主調の焼き入れは巧手であり、このたび研ぎ上げて瑞々しく、さらに地刃ともに冴えて明るく。新調の銀無垢はばきに好く映える。唯一茎尻の朽ちがあるものの総体には原始の姿を生ぶで残した秀品であり希有の総柾目鍛の短刀。
銀地腰祐乗鑢はばき。白鞘入り。