O19181(W8077) 脇差 銘 伯耆守藤原信高  保存刀剣 600,000円
新刀 江戸前期(延宝1673年頃) 尾張
刃長54.4cm 反り1.4cm 元幅31.0mm 元重6.8mm 先幅21.8mm
剣形:鎬造、庵棟、元身幅広く、重ね厚く、中間反り付いて中峰(刀身全体写真
鍛肌:地肌小板目に流れる肌目交え良く練れて詰む。地沸微塵に厚く付き、地景密に沸き出でて強い肌合いとなる。
刃紋:直ぐに焼きだして、互の目丁子に尖りごころのある刃交え匂締まり、刃縁小沸よくつき明るく冴えて太い沸足が入る。
中心:生ぶ、鑢目大筋違い、生孔一個。刃側やや張って、棟肉付く。茎尻、刃上がりの栗尻。
帽子:直調子に小丸に返り深く硬く留まる。
河村三之丞信高は寛永九年に生まれ、初銘を「信照」。寛文五年三月五日三十四歳のときに伯耆守を受領して信高を名乗った。同年五月に尾張二代藩主徳川光友の命により尾張徳川家のお抱え鍛冶に任じられ扶持十人分を受けた。宝永四年八月二十日享年七十六歳没。寛文年間は刀剣の需要が多く、特に武芸の盛んな尾張国では頑丈な造形のものが求められ。同藩の剣術指南役である柳生連也斉厳包の佩刀を鍛えた信高の刀は質実剛健を旨としながらもその豪壮な作りこみと大業物としての名声を世に知らしめた。本作は元幅広く、重ね、鎬とも高めで平肉のついたどっしりと重量のある長脇差で、地金は小板目が密に詰んで、地沸が一面に付いた清涼な地金を呈し、広狭ある互の目丁子の太い沸足が良く入り、刃頗る明るく冴える。需要最盛期の寛文から延宝期の尾張刀工の優秀ぶりを示す好品。
時代銅はばき、白鞘入り。