H50927(S2097) 刀 銘 常陸守宗重
附)黒蝋色塗鞘道成寺打刀拵
特別保存刀剣 880,000円
新刀 江戸時代前期(延宝頃・約330年前) 摂津
刃長63.3cm 反り1.1cm 元幅30.2mm 元厚6.7mm 先幅20.5mm
剣形:鎬造り、庵の棟高く頃合いの寸法。元身幅は広めで、反りやや浅めに付き中切先に結ぶ。表裏に丸留の棒樋の彫り物がある。(刀身拡大写真
鍛肌:小板目肌よく詰んで、地沸が頗る厚く付いて金色が明るく冴え、ちりちりと地景が深淵より沸く。
刃紋:総体に沸出来で、微細な沸粒は厚く深く刃縁に絡み、浅く湾れた大阪焼だしに始まり、大互の目となり、箱刃を交え太い沸足が入り、谷に砂流しがかかる明るく冴えた刃紋を呈する。
中心:茎生ぶ、茎尻は深い入山形。目釘孔壱個、鑢目は大筋違いに化粧。掃表目釘孔下に大振りの五字銘「常陸守宗重」とある。
帽子:横手下で鎮まり、直ぐに中丸となる。
本国は播磨、多田宇兵衛と称し津田助広門弟となり常陸大掾、常陸守を受領した秀作鍛冶である。なるほど地鉄は小板目によく詰んだ緻密で冴えた鍛えをしており、地沸が厚く付いて鉄色明るく、刃も頗る明るく冴えており、小沸は刃縁にさらに明るさを増してさながら微細な銀粒を充てたように眩い閃光を放つ。匂いも深く、刃中は白く霞みたつなど津田助広門であることを首肯する出来を遺憾なく発揮している。本打刀は頃合いの寸法から注文打ちであろう、元の身幅広く、反りの浅い所詮寛文から延宝頃に流行った姿をしている。大阪焼だしを見せ、大互の目を焼く美麗な刃紋は横手下で鎮まり、直刃になり、帽子は上品に中丸に返る。附帯の打刀拵縁を赤銅で糸目捲紋を毛彫し、は角所として、柄を白鮫着濃紺掛捲。目貫 沢瀉に水鳥図 赤銅地、容彫り、金色絵。  道成寺図、山銅地、肉彫り、地透かし。生ぶの刃区を尊重して刃区の欠跡を残す。
銀着せはばき、白鞘付属