A69044(S1290) 刀 銘 兼元 附)朱塗腰刻鞘打刀拵 保存刀剣保存刀装具 3,000,000円
古刀 室町時代末期(大永頃/約490年前) 美濃
刃長71.6cm 反り1.4cm 元幅30.1mm 元厚6.0mm 先幅21.1mm
剣形:鎬造り、庵棟、重ねはやや薄めに鎬幅狭く、平肉付かず反り浅く付く。中峰延びごころとなる。(刀身詳細写真
鍛肌:板目肌に杢目交え肌目が立ち、肌目に沿って太い地景が沸き出で、地斑調の白けた映りがたつ。
刃紋:頭の丸い互の目と尖り刃を交え諸処に三本杉の群を形成し、一部には互の目の頭が地に煙り込んで尖るなど様々な乱れを交える。刃中は匂で充満し冴え砂流しかかり古雅で美景かつ冴える。
帽子:帽子は互の目のまま乱れ込む。
中心:三寸強ほど摺上げ。茎孔は二個。元鑢は鷹羽。茎尻は切。佩裏下方に大振りの二字銘「兼元」とある。
約三寸強の摺り上げながらも寸が二尺三寸六分強と延びて、原姿は二尺七寸弱ほどの長大たる太刀であることが解る。兼元は兼定とならび美濃鍛冶を代表する工であり、同名が相継ぎ各代ともに孫六を通称とした。今日では最も技量の優れた二代を指して「孫六兼元」と称する。初代の兼元には三本杉風の刃文は希有であり、所詮三本杉の創始者は二代の兼元であろう。初二代ともに赤坂の地で作刀し二代は晩年より関に移住したと伝えられる。孫六兼元の銘は「風格があり闊達かつ堂々たる威風を放つ」といわれる。すなわち初代に比して総体に大振りで「兼」の肩がやや角張り「元」は第一画を右から左へほぼ横向きに切り、第三画の跳ね部分に打ち鏨を打ち、四画目は少し下方から切り始める。本作はその銘振りからも「孫六兼元」の確かな技量と作域が感じ取ることができる秀品。
附)朱塗腰刻鞘打刀拵
白鮫着茶細糸蛇腹巻柄 ・瓢箪図縁・頭・鞘こじり、赤銅磨地山銅据文象嵌金平象嵌 ・鯰図目貫、素銅地容彫、・唐草文鍔、赤銅磨地、金象嵌、山銅地韃靼人図小柄(小刀:菊紋雷除三品伊賀守金道)、皮包下緒(諸処に解れあり)
古の武勲を偲ばれる凛とした孫六兼元に桃山拵の優美さが漂う内外のもに完存の逸品。
金着せ二重はばき、白鞘入り、時代刀箱付属。