A55478(Y1525) 剣 銘 城大三郎光雄 保存刀剣
新刀 江戸時代後期(天明頃/1781〜88) 山城
刃長37.2cm 無反り 元幅26.5mm 元重6.8mm 
剣形:両鎬造、刃長は37.2cm、総長は49.6cmと長い剣形をしている。腰元櫃内には意匠濃厚な毘沙門天の彫り物、上部の鎬筋上に棒樋がある。他方の下半には三叉槍の彫り物、上部の平地には鎬筋を挟んで二筋樋がある。(刀身拡大写真
鍛肌:小板目肌主調に柾がかり、やや白けごころの映りが発ち、柾目状に太い地景が流れる。
刃紋:匂い出来の広直刃は僅かに湾れ、節・小乱れを交える。
中心:生ぶ、目釘孔一個。茎には僅かに勝手下がりの鑢目。茎尻は剣形。大きな目釘孔下方の鎬筋上に草書体で『城大三郎光雄(みつかず)』と銘がある。
帽子:銘表は鎬筋を挟んで左右対象に先尖り掃きかけて返り、裏は左手は先尖り返り、右手は鎬筋で焼き詰めとなる。
 剣は中世より密教の法具として用いられてきた。表題の作品で一際目を引くのは、櫃内に施された緻密な毘沙門天の刀身彫刻である。甲冑に身を固めて口髭をたたえ、目を大きく見開いて口を一文字に結んだ武将風の姿は右手は三叉槍を持ち、左手は宝塔を捧げ持っている。四天王の一尊たる武神・守護神であり、十二天の一尊で北方を守護するとされる。また日本独自の信仰として七福神の一尊とされ、特に勝負事に利益ありとして崇められていきた。細部まで丁寧に彫り描かれているのに対して、銘のある側は草の三叉槍の彫り物と二筋樋がある。表裏陰陽の中庸を得た彫刻である。
時代銀着はばき、白鞘付属
参考文献 :
本間薫山、石井昌國 『日本刀銘鑑』 雄山閣 昭和50年
銘鑑によると
『光雄(みつかず)、城太郎光雄とあるのに対して本作は城大三郎光雄となっている。編集上の誤記であるのか、もしくは太郎と大三郎は別人で師弟・兄弟であったのかは定かではない。今後の研究に委ねるところである。
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