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Tokugawa art
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M11472(S1502)
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太刀 無銘 千手院
古刀 鎌倉時代初期 (約八百年前/1182~) 大和
刃長 64.0cm 反り 2.3cm 元幅 27.9mm 先幅 16.6mm 元厚 6.5mm
特別保存刀剣鑑定書
剣形:鎬造、庵棟高い。鎬高く、腰反り高く、小鋒に結んだ鎌倉初期を降らない古雅な太刀。(
刀身拡大写真
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地鉄:良く詰んだ板目に杢交じえ、流れる肌合いに地景密にはいり、地沸微塵について沸映りたち潤う。鎬地柾目顕著に肌立つ。
刃文:刃文は沸本位の直刃に小乱れ、物打ちに大互の目をひとつ焼いて、二重刃、ほつれる刃を伴い沸厚く積もり明るく煌めく。
帽子:帽子は大丸となり焼詰める。
茎:生ぶ、無銘。鑢目切り。目釘孔二個。栗尻に結ぶ。
千手院派は、現在の奈良公園内、若草山麓の麓にある「千手院谷」と呼ばれる場所に居住したことに由縁するという。千手院派は注文主が千住院や東大寺などの寺院であり、増兵の用に供された故に今日慧眼する作の多くが無銘であり、また兵乱による寺院の焼失の際に運命を共にした故に現存数は少ない。
表題の作は千手院派らの大和鍛冶が精鍛した現存稀な太刀。地鉄は板目に杢目、流れごころの肌緒を交え、鎬地は柾目顕著な鍛肌を呈して身幅頃合に鎬が特に高く、踏ん張りのある反りの深い上品な姿に、沸本位の直刃仕立てに小乱れを交えて食い違い、二重刃を交える。刃縁の沸づきは山城物より強く煌めき、最も沸が強いとされる相州物とも双璧。沸の妙味を遺憾なく発揮している。本作の特筆すべき特長は、出来口の素晴らしさに加えて、古色蒼然とした茎の錆味を保ち、表裏より鏨で穿たれた古雅な目釘孔は八百年におよぶ悠久の歴史を想わずにいられない。仏教・密教の祈りにより千手観音菩薩に帰依する修業を満行した高僧の姿が想起され、元始の姿を保持する生ぶであることは珍重であり、代々温存されたことが偲ばれる。
金着太刀はばき、白鞘入り
参考文献:
本間薫山・石井昌国『日本刀銘鑑』 雄山閣 昭和五十年
注)平安時代の大和国では仏法保護の名目で強訴・政争に参加した僧侶の集団は強大な勢力となった。大和鍛冶は東大寺、興福寺らの大寺院に直属する専属鍛冶として僧侶の需めに応じたと云われている。千手院派は大和物としては最も発祥の古い流派であり、鎌倉中期以降は当麻・手掻・保昌・尻懸の各流派が加わって『大和五派』を形成して大和鍛冶全盛期を迎えるようになる。他国の作品に比して大和鍛冶の作刀に在銘作が少ない事由は、寺院の専属鍛冶という特殊な性格があり、武家や豪族、朝廷からの需めによる山城物や備前物とは性質が相違したからであろう。
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