A77414(T5018)

短刀 銘 尾張国政秀 附)燻革片手巻柄柳生短刀拵

新々刀 江戸時代末期(慶應頃/1865~)尾張
刃長18.9cm 無反り 元幅22.1mm 元厚7.4mm

保存刀剣鑑定書

附)燻革片手巻柄柳生短刀拵

 

剣形:平造り、三ツ棟。重ね厚くつき先も重ねも重くついた重厚な手持ち。(刀身拡大写真
鍛肌:明瞭な柾目肌鍛に地沸つき柾目肌に呼応した地景はいる。
刃紋:中直刃小乱れ交え、刃縁に小沸が帯状に積もり僅かに砂流しかかる。
帽子:直ぐに先小丸となり、返り深く留まる。
中心:生ぶ。鑢目は切。棟肉平でここにも切鑢がある。刃上がり茎尻。目釘孔一個。表の棟寄りには『尾張国政秀』の五字銘がある。

 『政秀』は名を『斉藤政秀』、八代『政常』の高弟。名古屋練屋町(現、名古屋市中区丸の内二丁目・錦三丁目)に住み、晩年は前津七本松(同中区千代田三丁目)に移住した。柾目鍛えを得意とし短刀の名手である。文化十四年から、安政五年、慶應年紀、明治二、三年の年紀がある。明治五年歿。
 『尾州住政秀』、『尾張国政秀』、『尾州名府住政秀』や『美濃守藤原政秀作 於神府五十鈴川以神鍛之 弘化乙巳二月吉日』と受領銘を記したものや、『相模守政常入道九世孫』と出自を刻した短刀がある。 この短刀は得意の柾目鍛えを遺憾なく実力を発揮して出来が良い。
 
附)燻革片手巻柄柳生短刀拵 拡大写真・拡大写真)
  • 黒石目青貝散漆塗鞘
  • 金塗鮫着、燻革片手巻柄
  • 山銅地下緒環・返角
 柄を二ノ切鮫着せ金塗に燻革で片手巻き。目貫を省き、山銅環に下緒を通して同山銅地の返り角は環の近くに上がって装着されている。青貝を散らした石目地の塗鞘は、環と返り角の間を削ぎ落として腰帯への装着を確かなものとし、質実を重んじて小柄を省くこれらの様式は柳生の忍びが懐剣として具えたものとされている。
時代銀地一重はばき、白鞘入
参考資料
本間薫山、石井昌国『日本刀銘鑑』雄山閣、昭和五十年
岩田與『尾張刀工譜』名古屋市教育委員会、昭和五十九年
坂入真之『尾張拵・柳生拵』里文出版、平成二十四年12月25日