K52430(S1493)

刀 無銘 千代鶴

古刀 南北朝時代(延文頃/1356~) 越前
刃長68.5cm 反り1.1cm 元幅33.2mm 先幅24.9cm 元重7.2mm

 特別保存刀剣

剣形:鎬造り、庵棟。身幅広く、元重ねの厚い重厚な体躯。浅め反りがついて大切先に結ぶ勇壮たる南北朝時代に流布した造り込み。はばき除いて768㌘と手持ち重厚(刀身拡大写真
鍛肌:板目肌よく練れて処々大肌交え柾がかる鍛肌。地沸微塵に厚くつき、処々湯走りごころとなる。
彫物:腰元の薙刀樋は茎に掻き流し、鎬地の肉削いでここに棒樋の彫物がある。
刃紋:沸出来の湾れに小互の目、逆がかる小互の目をを連ねて刃縁に小沸厚くつき、小足頻りとかかり、刃中、葉浮かぶ。地には跳び焼き風の湯走りがある。
帽子:表裏とも乱れ込んで掃きかけて焼詰めごころ。
中心:磨上げ無銘。茎尻切り。茎孔弐個、鑢目切。
 『千代鶴』は南北朝中期~後期にかけて越前国にて活躍した『千代鶴国安』派により鍛造された刀剣。山城国、『来国末』の孫と伝える『来国安』が貞治ごろに越前国に来住し千代鶴派の祖となったという。『国安』は銘に『千代鶴』とも『来国安』とも切るという。『千代鶴派』は始祖『来国安』をはじめ同派の『来宗光』や『守弘』等とともに、『越前来』とも呼称されている。
 この刀は元重ね厚い堅強な体躯に鎬地を削いで刃抜けの良さを念頭に於いた、延文・貞次頃の南北朝期に流布した長巻き造りの姿をしている。地鉄はやや黒ずんで、板目・流れ肌を交えて肌立ちごころとなり、地沸微塵に厚くつき、地景細かくしきりに入る。刃文は広直刃調の浅い湾れに小互の目の逆足入り帽子は乱れて掃き掛けるなど、地刃に南北朝期の来派の特色を有しながら北国気質を有することから『千代鶴』と極められた。
銀無垢一重はばき、白鞘入り。
参考文献:
石井昌国、本間薫山『日本刀大鑑』雄山閣、昭和五十年