Tuba2396a

笹鯰鍵透鐔

銘 土佐国住 紀宗辻作之
竪丸形、鉄磨地、地透、毛彫、丸耳

縦 78.9mm 横 75.0mm 重ね 6.4mm (切羽台) 5.3mm (耳)

保存刀装具鑑定書

 土佐明珍は山内家に藩工として仕えた。同派は江戸に出て赤坂家で学び、或は肥後金工から技術指導を受けて尚武の気風に粋で斬新な意匠を融合して武人の好尚に乗りその名を全国に知らしめた。

 この鐔は切羽台より丸耳にむかい自然に肉を落として碁石形としている。鯰鬚が耳に接する部分は繊細であり、肥後金工の品格を感じ取ることができる。
 新奇な図柄は江戸赤坂派の影響があろう、重厚な造り込みに鍛肌の光沢のよさは同工の入念作。伝統的な作域を超越して斬新な趣向と彫法を採り入れ独自の作風を創始した江戸時代後期の作品