国友氏。官五右衛門という。西尾住。『正命』(明和頃)、『正幸』(安永~寛政頃)、『正重』(享和~文化頃)、『重貞』(天保頃)の各代である。
西尾国友四代目 『重貞』の作。大振り厚手で、八角形の鉄磨地は蜘蛛の巣状に陽透かしされている。裏には大振りの鏨で『国友 重貞』と刻されている。西尾国友派は間、亀山鐔の系統であるがこの頃になると砂張象嵌と呼称される火縄銃の銃身の象嵌技法を取り入れた流し込み象嵌は施されなくなり、尋常な金象眼を施した作品を慧眼する。鐔には『国友 重貞』もしくは『国貞』とのみ裏側に刻しており『於三州西尾』と槌駐地を刻するものをみなくなる。
天保十一年二月三日(1840)歿