Tuba2835a

太刀木瓜形鐔

銘  尾府住 則亮

木瓜形 鉄鍛目地 四方猪目透 打返耳 両櫃孔

縦 85.2mm 横 79.1mm 重ね 4.4mm(耳) 2.9mm(切羽台)


伝統の尾張鐔の掉尾を飾る則亮。初代は丹羽氏、名を治平という。天明二年(1782)生まれ、二子山古墳付近、西本願寺別院辺りに住した。尾張藩御用を勤め、俳諧を嗜んで画家『森高雄』、『渡辺清』等と交流したという。嘉永五年(1852)四月十七日、七十一歳歿。梅屋寺(現、名古屋市東区東桜二丁目16-51)に葬る。

二代は岩田姓で清兵衛と云う。嘉永四・五年頃に二代則亮を襲名している。清兵衛の甥、長谷川嘉吉は自身銘『克明』と刻する。『克明』が三代則亮を襲名したかどうか定かではないが、二代と同様に尾藩御納戸御腰物係を務め二代則亮を助けたという。『則亮』銘のものは全て師伝を継承しているようである。

本作の銘を鑑みると、『尾』の『毛』の横棒が平行して三本列び、縦線より左へははみださない。三代克明の鏨運びが顕著である。