Tuba2819a

銀杏図大小鐔

大小銘 尾府住 則亮写

変形、鉄鎚目地、鋤出彫、丸耳、両櫃孔赤銅埋(大)、片櫃孔赤銅埋(小)

(大)縦 75.9mm 横 70.6mm 4.2mm(切羽台)

(小)  縦 70.6mm 横 65.1mm4.0mm(切羽台)

保存刀装具鑑定書

伝統の尾張鐔の掉尾を飾る則亮は二代あり、初代は丹羽氏、名を治平という。天明二年(1782)生まれ、二子山古墳付近、西本願寺別院辺りに住した。尾張藩御用を勤め、俳諧を嗜んで画家『森高雄』、『渡辺清』等と交流したという。嘉永五年(1852)四月十七日、七十一歳歿。梅屋寺(現、名古屋市東区東桜二丁目16-51)に葬る。

作品に「写」が刻されているように金家、信家、山吉、法安、金山、柳生のほか、埋忠、記内、明珍などの写しを熟している。この大小鐔は古作尾張鐔に観られるような無骨さはなく、巧みな構図で銀杏を全面に配している。地鉄強く冴え錆色深く鋤出彫で精細に描写された精緻な葉脈の肌合いは美しい。