Tuba2744a

分銅輪繋透図 京透鐔

無銘  京透

菊花丸形、鉄鎚目地、地透、角耳小肉、両櫃孔

縦 78.9mm 横 78.2mm 5.3mm(耳)

保存刀装具鑑定書

京透鍔は室町時代末期から江戸時代初期に京都を中心にして制作された地透鐔。鍛錬の良い鉄をに用い優雅に巧緻造形で洗礼された表現が見所。櫃孔は縦長で角耳に小肉付き、やや薄手になるものが多い。文様は八橋、茗荷、梅、菊、雁、鶴などの図案的な意匠に優れたものがあり、多くは丸形である。
この菊花形鐔は鎚目の鍛えがよろしく地肌は磨き上げられて漆黒の錆色深く美しい。精巧に地透かしされた分銅輪文様の端正な細い線が鍔全体に広がり、優麗で洗練された構図と卓越した技倆を堪能する桃山時代の京透鍔である。