Tuba2715a

流水蔦唐草透鐔

無銘 京正阿弥

丸形、鉄地、地透、金銀平象嵌、角耳、両櫃孔赤銅埋

縦 82.1mm 横 82.0mm 5.0mm(切羽台)

特別貴重小道具認定書

京正阿弥は江戸時代の京都での正阿弥派の作品に対する呼称で、その作品の多くは華美な元禄頃の世相を反映して鉄地に良質の金銀を多用した布目象嵌の手法を用いている。

この鐔は大振りで肉厚、漆黒磨地の鉄地には銀象嵌の流水、艶やかな蔦唐草には金・銀を陰陽に平象嵌して、角耳には唐草模様を金銀象嵌で繋いでいる。切羽台と両櫃孔の小縁には銀象嵌をあてて両櫃孔を赤銅で埋め、茎孔責金に素銅を用いて高雅な趣がある。様々な色金を施した格調ある京正阿弥鐔である。