Tuba2698a

鉄地丸形地透鐔

沢瀉河骨雁繋透図

銘 訪古透意 一成作之

成木一彦(中津川市無形文化財)

古赤坂写し

丸形、鉄地、地透毛彫、角耳小肉、片櫃孔

縦 83.0mm 横 83.4mm 耳重 4.9mm

成木一彦氏は、昭和6年9月10日(1931)、岐阜県中津川市に生まれた。同35年(1960)頃、鐔の研究・試作をはじめ高橋介州氏に師事。同氏は長年にわたり、尾張・赤坂・金山鐔などの鉄鐔の復元を試み、自ら材料の砂鉄を全国各地から集め、自家製たたら製鉄によってその古雅な地鉄の再現に努めた。鉄地の表面処理の焼手腐らかし技法の復活にも挑戦し独自の鉄鐔の世界を展開している。胞山県立自然公園近くに居住し、号を胞山という。一成、一成造などの銘をみる。
昭和56年7月16日(1831)、中津川市の無形文化財保持者に認定、同61年(1986)に黄綬褒章を受章。平成21年(2009)、公益財団法人日本美術刀剣保存協会より無鑑査に認定された鐔の名工である。
漆黒に鍛えられた地鉄は美しい光彩を放ち、耳には鉄骨が顕れている。古雅な透鐔の意匠、とりわけ古赤坂鐔に範を求めて見事に復元模作している。沢瀉・河骨・雁を配した粋な画題である。