S9325(S3277)

刀 銘 桑名住義専齋三品廣道作 慶應三年四月日 以多度齋火鍛之 附)黒漆磯草塗鞘打刀拵

新々刀 江戸時代最末期(慶応三年/1867) 伊勢
刃長71.2cm 反り1.5cm 元幅31.2mm 先幅21.5mm 元重7.6mm

特別保存刀剣鑑定書
特別貴重刀剣認定書

附)黒漆磯草塗鞘打刀拵

10回まで無金利分割払い(60回まで)

 

剣形:鎬造り、庵棟低い。寸が延びて身幅広く、重ね厚くついて浅めの反りが付き中峰延びる勇壮な体躯。鎬地に比して平地広い造り込み。はばきを含む刀身重量861㌘(刀身拡大写真
鍛肌:小板目肌よく詰んで精良な地沸つき、精緻な地景がつく美しい地鉄。
刃紋:広直刃で焼きだして小沸出来の大房丁子・足長丁子に互の目を交えて焼刃高い。丁子の足が刃先に向かって長く放射し、刃中は清涼な匂で満ちて明るい。
帽子:横手下で互の目を焼いて、表は直ぐに中丸、裏は湾れて中丸に返る。
中心:生ぶ。長めの茎は刃側を舟底風におろして刃上がり栗尻。鑢目は大筋違に化粧鑢、棟小肉つきここにも大筋違の鑢目がある。茎孔壱個。佩表の上方棟に小振りの長銘『桑名住義専齋三品廣道作』、裏の鎬地には『慶應三年四月日』の年紀があり、平地には『以多度齋火鍛之』の切付が刻されている。

 義専齋廣道は伊勢桑名の産、『三品藤右衛門廣道』の次男で、『三品藤九郎廣道』という。長兄の『三品半兵衛廣房』とともに固山宗平、宗次に師事して備前伝の鍛法を取得。兄『廣房』と共に鍛冶町(三重県桑名市鍜冶町54)に鞴を構えた。
 多度大社には製鉄・鍛冶の御祭神とされる『天目一箇神(あめのまひとつのかみ)』が鎮座する別宮『一目連神社』がある。鑽火(きりび)神事でおこし不浄を斎み清めた神聖なる『齋火』を採った神前打ちである。

附)黒磯草塗鞘打刀拵(拵全体写真刀装具拡大写真
  • 縁頭 : 梅花樹図 鉄磨地 高彫色絵象嵌 無銘
  • 目貫 : 這龍図 容彫 鍍金
  • 鐔 : 梅花樹図 鉄地 六角形 角耳 高彫色絵象嵌 変両櫃孔 無銘
  • 鞘 : 黒磯草塗
  • 柄 : 白鮫着 生成色常組糸諸撮巻
金着一重はばき、白鞘付属

参考文献:
田畑徳鴦『三重県刀工・金工銘鑑』三重県郷土資料刊行会、平成元年
矢ケ瀬清一『三重県の刀工』三重県郷土資料刊行会、昭和五十一年
※同年一月九日に睦仁親王(明治天皇)皇位の象徴である三種の神器を受継ぐ践祚の儀が執り行われ王政復古の機運到来した。『ええじゃないか』騒動、『大政奉還』から『王政復古の大号令』へと幕藩体制から天皇中心の近代統一国家への大変革を迎えた激動の年であった。
※齋火(いむび・いみび):不浄を斎み清めた火。火鑽(ひきり)りでおこし、神饌(しんせん)の調理などの神事に用いた。