O40233(S2062)

刀 銘 備州長船法光 享禄二年八月日 附)黒蝋色塗鞘打刀拵

古刀 室町時代後期(享禄二年/1529) 備前
刃長 67.3cm 反り 2.3cm 元幅 29.6mm 先幅 17.7mm 元厚 7.0mm

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附)黒蝋色塗鞘打刀拵

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剣形:鎬造、庵棟。尋常な元幅に弐尺弐寸弐分の頃合いの刃長。元先の幅差がついて腰で反り、先反りがをくわえて中峰に結ぶ。(刀身拡大写真
鍛肌:板目肌の肌目たち杢交え湯走り状の地沸ついて乱れ映りが鮮明に立つ。
刃紋:沸主調の腰開きの互の目を主調に丁子・小互の目・尖り刃など交えて。刃中は匂い深く充満して互の目足はいり、・葉浮かび、砂流しかかる。刃縁には小沸厚くついて一部の沸は地に溢れて跳び焼きがある。総体出入りのある賑やかな刃文。
帽子:横手で鎮まり、直ぐ調に中丸。
茎:生ぶ、目釘孔二個(内一個埋)。鑢目勝手下がり、棟肉平。刃上がり栗尻。指表目釘孔の下方棟寄りに『備州長船法光』、裏には『享禄二年八月日』の年紀がある。

 法光は勝光・清光らと並び「末備前」もしくは「永正備前」と呼称される室町時代後期の備前鍛冶の中では作例が比較少ないものの、与三左衛門尉祐定や次郎左衛門尉勝光に双璧をなす技倆を示しているものに、『新左衛門尉』や『四郎左衛門尉』を冠する法光がいる。法光は優秀品といえども俗名をきらないものがあり、則光・祐光らと同一歩調とみることが出来よう。
 本作は頃合いの寸法に腰反り高くついた素早い抜刀に好適な姿。鎬高く棟に向かい鎬地をやや削いだ強固な肉置きは室町期の打刀の典型である。俗名こそ添えられていないものの、硬軟の鋼が織りなすよく錬れた板目肌には地錵が地斑調に厚くついて乱れ映りが立ち、変化に富んだ賑やかな刃文を呈して地刃ともに豊かな働きが愉しめる秀作である。
附)黒蝋色塗鞘打刀拵(拵全体写真刀装具拡大写真
  • 縁頭:水鳥図、赤銅磨地、高彫、色絵、無銘
  • 目貫:鷺曳車図、赤銅容彫、色絵
  • 鐔:鉄地竪丸形、地透、猪目雁金、燕図、銘 国春
  • 柄:白鮫着、焦茶色常組糸諸撮巻
赤銅庄内はばき、白鞘付属
参考文献:
『長船町史 刀剣編図録』 長船町 平成十年
藤代義雄・藤代松雄『日本刀工辞典』藤代商店 昭和五十年
本間薫山・石井昌國『日本刀銘鑑』雄山閣、昭和五十年
注)中世末期、所謂室町時代中後期の打刀の体躯の特徴に、永正・大永(1504~27)頃は二尺~二尺一寸くらいの、寸法がつまって、片手打刀恰好のややズングリした姿が主体であり、これが享禄・天文(1528~40)頃になると刃長が二尺二寸台位に延びて、やや身幅が広く中峰延びごころの姿が多くなる。さらに時代が下り、元亀・天正(1570~91)頃の室町時代最末期になると寸法は二尺三寸以上、身幅広く、元先の幅差があまり開かずに、大峰に結び、茎の寸法も片手打ちから両手打ちへと移行する傾向が窺われ、上半には先反りの付いた頑健な打刀姿に変貌していく。