O12740(S8910)

刀 銘 豊後守源正全

新刀 江戸時代前期(寛文頃/1661~) 尾張
刃長 64.2cm 反り 1.5cm 元幅 30.6mm 先幅 20.4mm 元重 6.8mm

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剣形:鎬造り、庵棟。鎬筋は凛として高く、元の身幅広めに、頃合いの中間反りがつき中峰に結ぶ所謂、明暦~延宝にかけて流布した体躯をしている。(刀身拡大写真
鍛肌:小杢目肌がよく詰んだ強靭な地鉄は鉄色冴え、地沸厚くついて地景入る。
刃文:小沸出来の焼刃は元を浅く湾れて焼きだし、腰高の互の目に複式の互の目を交え、やや逆がかった丁子乱れを交える。刃縁はよく沸づいて、刃中は沸足入り、匂が満ち、総体賑やかな大乱れ頗る明るく冴える。
帽子:横手下で互の目を焼いて直ぐ調子にのたれて中丸となり棟深く焼き下げる。
茎:生ぶ。目釘孔二個。浅い栗茎。鷹の羽の鑢目、棟小肉ついてここに大筋違の鑢目がある。鎬筋上には大振りの太鏨で『豊後守源正全』の長銘がある。
 正全(まさやす)は尾張の産。名を石田善左衛門という。美濃国坂倉関『正利』の末葉で、はじめ山城国、三品金道の門人となったのち名古屋鉄砲町に住した。年紀は明暦三年にはじまり延宝九年までの添銘をみる。鎬造りの刀、脇指が多く、短刀の作例は稀有である。互の目乱れ、矢筈刃などの大乱れは尾張刀工中出色のもので地刃ともに冴える。
 この打刀は刃・棟区共に深く健全な体躯をしている。茎の錆色優れ、躍動感溢れる鏨運びの銘文は明瞭。伯耆守信高と列び尾張新刀の両雄と称される正全の優品である。
銀無垢はばき、白鞘入
参考文献:岩田與『尾張刀工譜』文化財業書台八五号、昭和五十九年