A12665(S1506)

刀 銘 陸奥守藤原歳(長) 附)腰刻茶石目地塗抱柏に四つ割菱紋蒔絵鞘打刀拵

新刀 江戸時代前期 (延宝頃/1673~) 山城・伊勢
刃長 66.5cm 反り 1.4cm 元幅 29.2mm 先幅 19.5mm 元厚 6.6mm 茎長 22.0cm

保存刀剣鑑定書

附)腰刻茶石目地塗抱柏に四つ割菱紋蒔絵鞘打刀拵

剣形:鎬造、庵棟、区送り磨上げ。頃合いの重ね・身幅に、やや浅めの反りがついて中峰に結ぶ。元姿は二尺五寸ほどの長寸で寛文~延宝頃に流布した体躯をしている。(刀身拡大写真
鍛肌:地鉄は小板目肌よく錬れて詰み、煌めく地錵が平地を覆う。小板目の鍛肌に地景が鮮明にたつ強靭な地鉄をしている。鎬地は柾目肌たつ。
刃文:広狭ある足長丁子乱れは焼刃高くよく沸づき、刃中は澄んだ匂が充満して透明度高く、太い丁子の沸足が刃先に向かって放射する。乱れの谷には砂流しがかかり鮮明に冴える。
帽子:横手下で焼き込んで直に大丸となる。
茎:三寸程の区送り磨上げ。目釘孔三個。剣形の茎尻、元鑢は大筋違、磨上げ部は切鑢。掃表の棟寄りには大振りで鮮明な長銘『陸奥守藤原歳』(以下切)が刻されている。

 『陸奥守歳長』は本国阿波、名を二村弥左衛門という。長兄の山城守、次弟の武蔵守とともに『歳長』と銘を刻している。京一条堀川に鞴を構えて国広一門に学び、新刀特伝を習得して兄弟三人で鍛刀に励んだという。壮年は実子の二代『陸奥守歳長』を伴い江戸の『上総介兼重』と共に津に移住して伊勢藤堂家の鍛冶となった。
 品格ある山城伝の頃合いの姿に直刃を焼いたものや、本作のように増大する尚武の武士の需に応じた覇気ある沸本位の大互の目や丁子乱を焼いている。
 この刀は素早い抜刀を期して、三寸程区を送り茎尻を摘まみ茎長を長くとって頃合いの刃長としている。附帯する幕政時代の状態を保持する打刀拵は柄下地(28cm)を長くとり勇壮たる刀に相応しい美麗な装具で纏められて、尚武の気風と美意識を伝える内外完存の優品である。

附)腰刻茶石目地塗抱柏に四つ割菱紋蒔絵鞘打刀拵 (拵全体写真()()・各部拡大写真

  • 縁頭:鳳凰図、赤銅魚子地 高彫金色絵 無銘
  • 目貫:三鈷図、赤銅容彫色絵
  • 鐔:双龍図、竪丸形、鉄地肉彫地透、金銀布目象嵌、無銘
  • 柄:白鮫着茶色常組糸諸捻菱巻
  • 鞘:茶石目地抱柏に四つ割菱紋蒔絵、鉄鐺

金着腰祐乗鑢はばき、白鞘付属