M13116(T5992)

短刀 銘 廣房作 附)溜塗鞘肥後短刀拵

新々刀 江戸時代末期(安政頃/1854~) 伊勢
刃長22.1cm 無反り 元幅24.5mm 元重7.6mm

保存刀剣鑑定書

附)溜塗鞘肥後短刀拵

剣形:平造り、庵棟低く、僅かに内反りごころ。元重ねが頗る厚く、先の重ねも厚めにふくらが豊かに張る重厚な造り込み。(刀身拡大写真
鍛肌:地鉄は小板目肌が密に詰んで強く、地錵が付いて精細な地景が顕れる美しい鉄色をしている。
刃紋:小沸主調の広直刃。刃縁には均一な沸が厚く積もり帯状となり、小足が働き刃中は葉が連なり二重刃ごころになる。
帽子:直ぐに中丸となり返り深く堅く留まる。
茎:生ぶ。鑢目大筋違に化粧。茎棟は小肉付いて大筋違の鑢がある。目釘孔壱個。刃上がりの栗尻。佩表の目釘穴下方に『廣房作』の三字銘がある。

 初代広房は伊勢桑名の産、三品藤右衛門広道の長子。通称を半兵衛といい、『義朋斉(ぎほうさい)』と号した。弟の三品藤九郎廣道とともに固山宗平、宗次に師事して備前伝の鍛法を取得。鍛冶町(三重県桑名市鍜冶町54)に鞴を構えた。伊賀にても作刀するという。
嘉永五年から明治二年の年紀作がある。明治十八年八月十九日歿。
 往時のお守り短刀の様式を偲ぶ溜塗鞘花蝶図肥後短刀拵は尾張様式を踏襲する幕末のもので、溜塗の刷毛透漆が深く潤み、古色に溢れた鮫皮も完存の優品である。(拵全体写真各部拡大写真
  • 総金具(縁頭・鐺):桐唐草文図、鉄磨地、金象眼
  • 鐔:蝶図、鉄磨地、耳金象嵌
  • 割笄:網目七宝図、鉄磨地、金象眼
  • 小柄:雲龍図、鉄磨地、金象眼
  • 柄:白出鮫着、蝶文留金具、目貫、牡丹図、赤銅容彫色絵
銀着横鑢時代はばき、白鞘付属
参考資料:
矢ケ瀬清一 『三重県の刀工』 三重県郷土資料刊行会 1976

本間薫山・石井昌國 『日本刀銘鑑』 雄山閣 1975