Tuba2237a

鉄地変り形地透鍔

鶯宿梅図、変り形、磨地、毛彫、両櫃孔、丸耳

銘:一成造

成木一彦(中津川市無形文化財)

縦 85.0mm 横 81.8mm 5.7mm 耳厚

上質桐箱(昭和五十五庚申五月日 一成 落款)箱書

 

成木一成氏は、昭和6年(1931)、岐阜県中津川市に生まれた。同35年(1960)頃、鐔の研究・試作をはじめ高橋介州氏に師事。同氏は長年にわたり、尾張・赤坂・金山鐔などの鉄鐔の復元を試み、自ら材料の砂鉄を全国各地から集め、自家製たたら製鉄によってその古雅な地鉄の再現に努めた。鉄地の表面処理の焼手腐らかし技法の復活にも挑戦し独自の鉄鐔の世界を展開している。胞山県立自然公園近くに居住し、号を胞山という。
昭和56年(1831)、中津川市の無形文化財保持者に認定、同61年(1986)に黄綬褒章を受章。平成21年(2009)、公益財団法人日本美術刀剣保存協会より無鑑査に認定された鐔の名工である。

本作は肥後林派の鶯宿梅鐔に範を取ったもの、鉄味は漆黒のごとく、鍛鉄の力強い光沢と風合いを見事に表現している。耳の形状は肉彫されて柔らかく梅の古木を想わせる。梅花・蕾、鶯の毛彫は何処までも繊細で美観に優れている。昭和55年(1980)、同氏49歳、円熟の佳品。