G52553(S3036)

刀 銘 濃州関住兼則作之 昭和五十一年十二月吉日

現代刀(昭和五十一年/1976) 岐阜県
刃長 75.4cm 反り 1.6cm 元幅 33.8mm 先幅 23.5mm 元重 7.9mm

 

剣形:鎬造り、庵棟、殊の外重ね厚く身幅も広く、元先の幅差さまにつかず浅めの反りがついて中峰延びる。刀身重量1045㌘(はばき含む)刀身拡大写真
鍛肌:小板目肌よく詰んで総体に柾がかり精緻な地沸ついて潤い鉄色冴える。
刃紋:互の目に丁子・尖り刃を交えて処々跳び焼きがかり総体に賑やか。刃縁は匂口締まりごころに小沸よく付いて明るく冴え、互の目の足が刃先に向かい長く賑々しく放射し、刃中には葉が浮かび砂流し頻りにかかるなど豊かな沸の働きがある。
中心:茎生ぶ、勝手下がりの鑢目に浅い栗尻、棟肉平でここには勝手下がりの鑢目がある。佩表の鎬地寄りには太い鏨で『濃州関住兼則作之』の銘、裏には『昭和五十一年十二月吉日』の年紀がある。
帽子:直ぐ調子に湾れて小乱れ中丸に返る。
 現代関の刀匠、『兼則』の打刀である。名を小島太郎という。小島時二郎『兼道』の弟、明治四十年五月(1907)に岐阜県関市長住町に生まれた。
 渡辺兼永の門下となり日本刀鍛錬塾で学び、昭和44年2月7日に文化庁より作刀認可。新作名刀展で入選8回を受賞するなど、現代を代表する関の代表的刀匠である。
 本作は同工七十歳の円熟作。寸延びて身幅広く、重ね厚めに元先の幅差がさまにつかず、浅めの反りがつき、中鋒が延びた豪壮な打刀の姿をしている。焼刃の高い賑々しい刃文は小沸がよくついて明るく冴えた覇気あるもので如何にも華やかである。
銀はばき、白鞘入り
参考文献:大野 正 『現代刀工銘鑑』 光芸出版、昭和四十六年