A4105(T6267)

短刀 銘 備州長船祐定作 天正四年八月日 附)朱根来塗鞘突兵合口拵

古刀 室町時代末期 (天正四年/1576) 備前
刃長21.6cm 内反り 元幅21.8mm 重ね5.5mm

保存刀剣鑑定書・正真鑑定書

附)朱根来塗鞘突兵合口拵

保存刀装具鑑定書

10回まで無金利分割払い(60回まで)

 

剣形:平造り、庵棟低い。やや小振りの短刀で重ねやや厚くフクラ枯れ、内反りの姿をしている。(刀身拡大写真
鍛肌:板目に杢目・流れ肌交え、細かな地沸が平地全面について肌目が際立つ。鍛肌に沿って太い沸筋が地景となって表出し、棟寄りに乱れ映りが浮かぶ。
刃紋:小沸出来。直刃基調に浅い湾れを交えて匂い口締まり明るい。小乱れ・小互の目、ほつれる刃交えて刃中は金線・砂流しかり、葉が浮かぶ。
帽子:刃沸豊かに絡んで乱れ込み焼詰め、先強く掃きかける。
茎:生ぶ。目釘孔壱個。浅い勝手下がりの鑢目、棟肉は平、栗尻。佩表の棟寄りに『備州長船祐定作』、裏には『天正四年八月日』の年紀がある。
 長船祐定は勝光・清光らと並び「末備前」と呼称される室町時代後期の備前鍛冶を代表する刀匠である。表題の短刀は組み打ちに際して対峙する武将の鎧の間隙から刺突する実利の用途より、寸法をやや控えめに筍反りとなり、先を枯らせて元重ねに比して先の重ねを削いだ鋭利な姿恰好をしている。茎はやや長めに仕立てられ、手の内の握り易さを考慮された具足揃・鎧通しの短刀である。
 板目鍛えの地鉄は杢目を交えて太い地景が肌目に沿って躍動している。棟寄りに立つ乱映りは鍛え肌に呼応して古雅なる景色を浮かびあがらせている。浅い湾れの焼刃は匂い口締って明るく冴え、刃縁は小乱れ・小互の目を複合して刃中には小足・葉が入り、ほつれる刃は刃中の砂流しに変じて沸筋を伴っている。
 付帯の朱根来塗鞘突兵合口拵は江戸時代後期に流布した拵様式。朱漆を研ぎ出して黒色を僅かに透いた深みのある根来塗鞘には朧銀地金具で端正に装飾されて渋い光彩を放っている。堅木刻柄には赤銅地の桜花図共目貫、観猿・聴猿図頭(銀地肉彫、金・素銅色絵、赤銅玉象嵌)。朧銀無文磨地の猪目鐺・返角・緒通し環の胴金、色絵に彩られた観猿・聴猿図頭には絶妙の造形美がある。注文主の優れた感性と職方の優れた手腕が窺え、感心させられる優品である。(鞘胴金より角口に至る部分は補修痕があり朱色で塗色されています。)
銀着一重はばき、白鞘入り