O47322(S1297)

刀 銘 (枝菊紋) 近江守源久道 寛延三年午二月日 附)茶石目地漆塗鞘打刀拵

新刀 江戸時代中期(寛延三年・1750年) 山城
刃長70.0cm 反り1.6cm 元幅26.1mm 元厚5.9mm 先幅18.4mm

保存刀剣鑑定書

附)茶石目地漆塗鞘打刀拵

 

剣形:鎬造り、庵棟、身幅、重ねとも頃合いで反りやや浅めに付いてやや小切先に結ぶ。
鍛肌:板目肌に流れごころ交じり、総体に肌目が立ち、地沸がよく絡む。
刃紋:総体に小沸出来で、長い京焼だしに始まり、互の目となり、さらには処々高く飛び出した袋丁字を交え、肌に絡んで砂流しがよくかかる。物打ち上部は足長丁字が肩を並べ丁字の沸足が良く入る。
中心:茎生ぶ、刃上がり栗尻。茎孔壱個、鑢目は大筋違い。棟肉は平。掃表目釘孔上に枝菊紋を切り、孔を挟んで下方に「近江守源久道」の銘があり、裏には目釘孔下に寛延三年午二月日の年紀がある。
帽子:直ぐに小丸となる。
頃合いの身幅で総体細めの美しい姿をしておりながらも弐尺参寸と定寸法であることから往事の注文打ちであろう。京焼だしを低く抑えて小の互の目を焼き、さらには背の伸びた袋丁字、上半はさらに沸付いて焼の高い足長丁字を列ねるなど闊達な覇気のある焼き入れをしている。表題の久道は三代目。二代久道の次男で、長兄が来金道を継いだので、久道家の家督を継いだ。元文四年(1739)八代将軍吉宗の命を受けて江戸にくだり、御浜御殿で名物児手柏の写しを鍛刀し、さらに吉宗公の指料「名物若狭正宗」の写しを作刀し吉宗は大満足したと云う。本作は久道家のお家芸である相州伝を遺憾なく発揮した作品で、枝菊紋に年紀もあり、銘振りも三代久道の典型である。附帯の打刀拵は縁頭 蝶にに秋草図 鉄地 高彫、金銀色絵。目貫 二匹獅子図 赤銅地、容彫り、金色絵。  平安城 武蔵野鐙図 鉄鎚目、真鍮象眼。 白鮫着薄紺糸。
銀はばき、白鞘付属