H20783(T8591)

短刀 銘 芸州住出雲大掾正光 慶應三年二月日 附)黒石目地塗鞘短刀拵

新々刀 江戸時代末期(慶應三年・1867) 安芸
刃長28.7cm 反り0.2cm 元幅28.7mm 元厚7.1mm

保存刀剣鑑定書

剣形:平造り、庵棟、寸延びて身幅広く、ほぼ無反りで重ね厚い造り込み。
鍛肌:板目肌よく錬れて詰み、平地に白けごころの映りがたつ。
刃紋:直刃調子に小沸が帯状によく付いて小乱れ。
中心:茎生ぶ、茎尻刃上の栗尻。茎壱個、鑢目大筋違いに化粧。棟に小肉が付く。佩表に長銘で芸州住出雲大掾正光 佩裏に慶應三年二月日の年紀がある。
帽子:直ぐに小丸に返り、返りやや深く堅く留まる。
安芸の正光は享和二年(1802)に安芸国に生まれ、尾張青木元長の弟子と伝えられ、二十歳の頃に家業を継いで刀工となり、文政十二年五月(1829)に出雲大掾を受領した。天保十一年(1840)には広島藩主浅野公へ自作刀を献上して銀五枚を拝領し、安政五年(1858)に広島藩のお抱え鍛冶となっています。本作は慶応三年(1867)の年紀があることから正光六十六歳の円熟の作であることが判る。
九寸五分と寸が伸びた短刀で重ねが厚く、先にいってもさまで重ねが薄くならず、ふくらが付くどっしりと手持ちのある短刀。このような剣形は江戸時代末期にまま見受けられる姿。佩表の切先下73ミリほどに痕跡を遺している。生ぶの黒石目地塗鞘短刀拵は金塗鮫皮着古代紫糸巻柄、山銅容彫金色絵の丁子図目貫、銀小縁鉄地縁頭は笹竹図、仙人図鉄地鍔、小柄は山銅地に笹竹虎図を金色絵。慶應三年の年紀があることも好ましく、江戸の短刀拵としてとても雰囲気がある。
時代銅はばき、白鞘入り。