T302553(S5000)

刀 銘 武蔵太郎安国 真十五枚甲伏作 附)千鳥紋螺鈿散黒蝋色塗鞘打刀拵

新刀 江戸時代中期(宝永頃・約300年前)武州 常陸
刃長65.3cm 反り2.2cm 元幅39.8mm 元厚8.8mm 先幅30.5mm

特別保存刀剣

特別保存刀装具

参考品

安国は武州下原鍛冶の一門である。慶安三年(1650)、山本金左衛門広重の子として八王子に生まれ、はじめ山本藤太廣重、のちに安国と名乗った。貞享二年(1685)武蔵の刀工大村加卜に師事し、麻布住、さらには水戸に赴き徳川光圀の令により鍛刀に従事し武蔵太郎の名を賜ったといわれる。享保四年(1719)には御浜御殿において子の山本幸蔵とともに吉宗将軍の上覧鍛冶をつとめ、白銀十枚を賜った。のち山本卜宥と号し、享保十五年(1730)八月十五日、八十一歳の天寿を全うした。小説「大菩薩峠」では主人公である机竜之助(片岡千恵三)の愛刀とされ話題となり更に人気を高めました。椚田遺跡公園に墓(八王子市指定史跡)がある。表には草の倶利伽羅、裏には「一生如夢有誰百年」の彫り物がある。
一生(いつしやう)は夢(ゆめ)の如(ごと)し、誰か百年の齢(よはひ)を保(たも)たん。曾我物語巻第十一より