脇指 家次作 附)黒蝋色塗鞘龍図小さ刀拵
古刀 室町時代中期(永正頃/約500年前) 加賀
刃長37.7cm 反り0.9cm 元幅28.5mm 元厚5.9mm
正真鑑定書
剣形:平造り、庵棟。身幅尋常で長寸の造り込み。先反りの付いたややフクラの枯れた姿をしている。
鍛肌:小板目を基調に柾目肌流れるところがあり、棟寄りに淡く棒状の沸映りがある。
刃紋:湾れに互の目を交え、中頃に駆けだし心の刃を交え、小模様な出入りのある複雑な乱れ刃。刃縁には小沸が厚く付いて金線が光り、砂流し流れ、沸と匂深く盛んにほつれて小足がはいる。地側上半には湯走りが顕れ、部分跳び焼き状となり棟焼きに繋がるなど古雅な働きがある。
中心:茎は栗尻張る。穴弐個。鑢目は勝手下がり。掃表目釘孔下に大振りの三字銘「家次作」とある。
帽子:湾れて先掃きかける。
加賀国の家次は橋詰派の刀工で古来より加賀青江と称されている。応永頃を中興の祖とし室町時代を通じて同名が数代続いている。本作は時代永正頃の三代家次の作と鑑せられた壱口。清涼な小板目肌は加賀青江と称された美麗な地金を著しながらも同国橋詰派に観られる跳び焼き、棟焼きがあるなど家次の特徴を善く表出した典型作である。付帯の小さ刀拵は白鮫着卯の花糸巻、赤銅容彫金色絵葵図目貫。縁、頭、鯉口、小柄櫃瓦、返り、鐺の総金具を真鍮高彫の波龍図とし、鍔を赤銅地、玉龍図、金色絵。小柄は真鍮地龍図毛彫り(小刀と共柄)。拵は江戸時代中期頃の作で、鞘の黒漆は近年に補修塗されているものの古作の趣を程よく保ち、龍図真鍮総金具が同作であることも希有である。
時代銀着せはばき、白鞘入り。